昨年の10月頃のニュースで、アメリカでトップ、大手の食肉産業のTyson Foods社が、ヴィーガンミートのバーガーのスタートアップに、150ミリオンドル(1億7千万円相当)を投資した、というのがありました。ビルゲイツもメンバーで加わっている、TwitterのCEO等が率いる新しいヴェンチャーの投資家ファンドからもバックを受けているプロジェクトで、これまでのビルゲイツのBeyond Meatをのりこえて、ここで、本格的に肉を模倣したテクノロジーが市場に出現、流通も確保された、ということ。
血がにじみ、肉汁がしたたるという、Veganなのに肉そのもののバーガー。新しい技術は、なぜ肉が、肉らしいのかということを徹底研究したことからはじまり、ヘムという血小板に見られるヘモグロビンの一種の、鉄分に属する物質がその"肉らしさ”を構成していることを発見し、開発されました。よって、すべての植物由来の材料を用い、ー ジャガイモ、ココナツなど ー それでもグリルで焼いていると、血混じりの肉汁がジュ〜っと出てきて本格的ビーフパティーが焼きあがる、ということです。一方、そのヘムの培養には、牛の体の一部を微量採取して、タンパク質源を培養するので、牛を使っていることに変わりないとして、 Vegan団体やヴェジタリアン団体では賛否両論をとなえているそうです。開発者側は、①これまでのヴィーガン、ヴェジタリアンバーガーパティーのような不満足なテクスチャを改善した。②さらに、あくまで牛を殺さず、負担をかけずに完璧なビーフを完全に植物性原材料のみで生産できる。という2点に、誇りをかけています。
それは、地球の温暖化現象を一刻も早く、できる限りに抑えたい、いまの子供達が担っていく将来を見据えてのプロジェクトであることが基盤です。つまりこれまでの肉食産業のありかたは、地球温暖化への関与が大きな問題として懸念されていました。植物性原料のみでバーガーを作るというのは、画期的な産業の効率化です。美味しいバーガーの条件を揃えられる場合、もはやそれが動物由来である必要はないのです。
具体的なプロジェクトのビジョンや数字は、ビルゲイツさんのブログがわかりやすいのでご覧ください。現在、アメリカ国内で数カ所、このインポッシブルバーガーを扱っている飲食店があり、今後は爆発的に肉メインのお店へ代替メニューとして流通予定です。日本上陸もいずれ、かもしれませんね。
Source:
http://fortune.com/2016/10/10/tyson-foods-invests-beyond-meat/
http://www.theverge.com/2016/10/11/13239640/largest-us-meat-processor-beyond-meat-vegetarian-alternative
http://www.seriouseats.com/2016/10/beyond-burger-impossible-burger-vegan-taste-test.html
https://motherboard.vice.com/en_us/article/one-of-americas-biggest-meat-companies-just-invested-in-vegan-burgers